2011年01月20日

「酵母の混合仕込」と「培養」

「香りのある酵母」と「味の良い酵母」の混合・・・・
そんな2つの異なった酵母の性質を利用する酵母の混合仕込み、酵母の発酵力をそろえるために自家培養か外部委託で混合してもらうかが必要です
酵母培養
うちでは自家培養を行なっています、従来、コンタミ、雑菌の混入のリスクを避ける為、静置培養を行なっていました。
しかし、通気ポンプに濾過層をはさむことにより、今期から通気培養に切り替えました

通気すると同じ培養液で酵母数が約10倍に増えますので
培養液が少量で済み、移し変えの時のコンタミ、汚染のリスクも回避されます

酵母は、以前は混合してもどちらかの性質だけが出てしまうので
酵母の混合は意味が無いと言われ「酵母の混合は邪道」とまで言われた時代がありました。


しかし、日本醸造協会の先生方の努力の結果
弱い酵母、強い酵母の、それぞれの関係がほぼ分かり酒母(酛)で、醪で、
安定した再現性のある、酵母混合仕込みの理論が確立されました。


ただ酵母の混合仕込みも、仕込み本数がだんだん増えてくると、結局、酒母()の前に無菌状態の小型の酒母(酛)をつくるようなもので、酒母仕込みの日程に合わせ直前にきっちり培養を終わらせる必要があります、専属研究員のいない田舎の小酒屋にはかなりの負担。
正直言ってきついです・・・
うちぐらいの規模で自社でやっているところは全国広といえども・・・・

でも味があり、香もある酒を造るためには絶対必要な工程。
・・・・・いけるところまで頑張ってみます
ラベル:酵母の培養
posted by 作州武蔵くん at 09:19| Comment(0) | 酒づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月14日

作州武蔵の麹室(こうじむろ)

弊社の麹室の板は先代が自ら鳥取県の「智頭」の製剤所に買い付けに行き
購入後、乾燥施設に委託して乾燥させたものを使用しています
板張りの麹室.JPG
木材の自然の呼吸がやさしい空気と空間を生みます

弊社の最も新しい酒蔵は昭和43年建築
当時の麹室(こうじむろ)は空調だけで湿度を簡単に下げ難く
湿度を下げやすくすることに重点を置いた設計になっています
そういった意味からも当時の弊社の杜氏の進言もあり
2階(通常の3階の高さ)に麹室があります


この蔵の建設時の杜氏 水田 糺(=ただし・備中杜氏・笠岡)・・・
彼は、若い頃朝鮮でも酒をつくった経験があります
半島での経験から「麹室は乾燥しやすい2階室に限ると・・・」
戦前の「備中杜氏」の活躍の広さを物語る話です
先人の努力と経験の積み上げの上に今があることを思い知らされます・・・
ラベル:
posted by 作州武蔵くん at 12:17| Comment(0) | 酒づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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